はじめてのアマティ
こんにちは、HYTSです。
自分のヴァイオリンという楽器自体に興味を持った原体験の1つを書きます。
中学生の一年生のころ、目にした楽器が、ずっと心に引っかかっていました。
京都にお住まいのヴァイオリンの先生がお持ちだったアマティのヴァイオリンです。
その頃僕は、海外の寮制の日本人学校に通っていて、休暇期間だけ東京に戻り、ヴァイオリンを習いに京都に通っていました。
先生のところに通ったのは、一年程の短い期間でしたが。
先生のレッスンは、なかなか厳しいレッスンでしたが、先生の音が膨よかな素晴らしい音だったので、お手本を弾いて頂く時は、ついつい聴き惚れてしまうこともよくありました。
その先生が、レッスン中に、テーブルの上に置いたヴァイオリン。
当時中学生一年生だった僕は、その楽器に只ならぬオーラを感じました。
自分が知っていた多くのフルサイズの楽器よりも、膨よかな形で少し小さめでした。色は赤く、年輪を感じさせる木でできていて、あぁ綺麗な楽器だなぁ、と思いました。
後で先生の楽器は、アマティの楽器と聞きました。
今では、アマティ一族の製作者について、アンドレア・アマティ、ニコロ・アマティなど誰か分かりますが、その頃はアマティという名前しか知らなかったので、今ではそれ以上のことは分かりません。
しかし、僕にとっては、はじめて楽器が綺麗だと思ったはじめての経験だったのは確かです。
先生には短い期間お世話になっていたので、それきりですが、あの楽器と先生の音は心に引っかかったままです。
時は過ぎて...
2018年7月、イギリス出張の空いた時間に、オックスフォードのアシュモレアン博物館に行ける機会がありました。
そこで、目にしたのは、ニコロ・アマティの傑作「アラード」でした。
暫く楽器の前で動けませんでしたが、あの時の楽器に感動した実感を、もう一度感じることができました。
はじめてヴァイオリン綺麗だなと思ったこと、ヴァイオリン弾く人それぞれあると思います。
あのアマティはどうしてるかな...。