HYTSヴァイオリンな日々

ヴァイオリンの魅力と謎について日々思うことを書きたいと思います。

コンテンポラリー・ヴァイオリン<価格>

こんにちは、HYTS です。


コンテンポラリー・ヴァイオリン(Comtemporary violin)について、書きます。






コンテンポラリー・ヴァイオリンとは、現代のヴァイオリンという意味で、ヴァイオリン製作家が現在も活躍しているヴァイオリンで、基本的に新作ヴァイオリンと同義語かと考えています。



製作家が死んでしまったら、モダン・イタリーの部類に入るかまでの厳密な定義がどうなっているか分かりません。



コンテンポラリー・ヴァイオリンについて、


1 価格

2 音


を、書いてみたいと思います。




1 価格


手造りのヴァイオリンであれば、50万円〜1200万円程の価格幅でしょうか。





コンテンポラリー・ヴァイオリンは面白くて、値段は150万円から非常によい楽器に出会うことができると思っています。




価格が高ければよい、と単純に言えるものでもなく、値段で楽器の優劣はないと思っています。





製作家は、ワールドワイドの時代で、イタリアに限らず、アメリカ、日本含めたアジア、ドイツ、フランスなど、国籍に関係なく素晴らしい楽器があると思います。





ヴァイオリンのモデルも、沢山ありすぎて、楽しく迷うことができますね。





150万円〜300万円

有名製作家の楽器を買うことができる価格と思います。製作家によって価格が変わりますし、楽器店が仕入れる為替の状況によっても変わるようです。




300万円〜600万円

新作ヴァイオリンであれば、かなり高額な価格帯だと思います。製作に手間をかける、年間製作本数も限られた有名製作家の楽器でしょう。450万円を超えるものは、なかなか見かけません。




600万円〜1200万円

市場でほぼみることのない、有名製作家の希少な作品でしょうか。売り出しているものは、とても高価です。





僕が知る限り、下記四人の製作家のヴァイオリンはこの価格帯です。




・Gregg Alf  (グレッグ・アルフ)

製作したヴァイオリンが、巨匠Ruggiero Ricci(ルッジェーロ・リッチ)に愛されました。Ruggiero Ricciが使用したCurtin&Alf作”Ex.Ricci”が、$132,000で落札されています。



・Samuel Zygmuntowicz (サミュエル・ジグムントヴィッチ)

巨匠Isaac Stern が、ガルネリのコピーを依頼しました。そのヴァイオリンは、オークションで、2003年に$130,000で落札されています。



・Giancarlo Guicciardi (ジャンカルロ・グイッチャルディ)

ボローニャのマエストロ、Ansaldo Poggi(アンサルド・ポッジ  1893-1984)の弟子で、Poggiの製作方法を受け継ぐモデナのマエストロ。僕がみた限り、1970年代の楽器は、Poggiの楽器そっくりでした。



・Francesco Bissolotti (フランチェスコ・ビソロッティ)

現代クレモナを代表する製作家の一人です。シモーネ・F・サッコーニと、ストラディヴァリの遺品や数々のオールドヴァイオリンから、クレモナの製作技法を研究した製作家です。




なお、Gio Batta Morassi(ジオバッタ・モラッシー)は、2018年2月に亡くなったため、上記には記載していませんが、やはり楽器はとても高額です。







オールド・ヴァイオリンよりもリーズナブルに購入できるコンテンポラリー・ヴァイオリンは、作家が製作したオリジナルの状態なので、健康状態はとてもいいです。




ただ健康な分、季節変化で音が変わったり、湿度の影響を受けたり、敏感だと感じました。




出来たてのヴァイオリンのニスは、安定していないこともあるようで、湿度が高くて暑い日本の夏は注意が必要です。





思えば、現在はモダン・イタリーのヴァイオリンとして取引されているものも、今から30年程前はコンテンポラリー・ヴァイオリンとして取引されていたんですよね。




製作家の死後に価格が上がるのは、絵画と一緒ですね....。




勿論未来の事は、分かりませんが....。




次は、コンテンポラリー・ヴァイオリンの音について書きます。