コンテンポラリー・ヴァイオリン<音>
こんにちは、HYTSです。
新作ヴァイオリンの音について、僕なりに書いてみようと思います。
明るい音か暗い音か、又は、音量が大きいか小さいかについては、一つ一つの楽器の個性の問題なので、それについては触れずに書こうと思います。
「弾き方を変えたら、音はどう反応するか」という、レスポンスに絞って、書いてみようと思います。
あくまで僕自身が感じたことですし、楽器毎に変わることなので、一概にこうだと断定するものではありません。
僕が新作ヴァイオリンで、いいなぁと思う楽器は、レスポンスが良いものです。
具体的にいうと、弓の圧力の変化や、弓の倒し方を変えた時に、音が変化するという、弾き方の変化に音が素直に答えてくれる楽器が、新作ヴァイオリンでいい楽器だなと思っています。
レスポンスは、製作家が意図していることでしょうし、新作ヴァイオリンは製作家が製作したままの状態なので、楽器特有のレスポンスを体感するには、最高の状態かもしれません。
擬人化すると、”素直なお嬢さん”という感じでしょうか。
この点、150年以上前のオールドヴァイオリンを弾くと有名製作家の楽器でも、レスポンスに気難しさを感じたことがあります。
「そういう弾き方では、音出したくないのよね。」
と、拒絶されているような....。
しかし、ある弾き方をすると、すごく綺麗な音が出たりする。
レスポンスが悪いというでわけではなく、気難しいといいますか。ご機嫌が悪くなりやすいといいますか。
擬人化すると、”気難しくて美しいレディー”という感じでしょうか。
これは僕の推測ですが、僕が気難しいと感じたオールドヴァイオリンは、出来たばかりの頃は気難しくなかったんじゃないか、と思っています。
強い気温変化に長年されされたり、板の厚みを削られたり、表面に保護ニスをかけられたり、セットアップを大幅に変更したり、そういう楽器の歴史が、気難しくさせてしまったのかなと。
楽器のいい音を引き出せる技術に長けた人であれば、弾きこなしてしまうのでしょうが....。
その点、新作ヴァイオリンは、生まれたばかりの状態です。
確かに新作ヴァイオリンの音は、弾き込まれていない分、まだまだ味は薄いかもしれません。
しかし、新作ヴァイオリンの強みは、製作家が作製したままのオリジナルコンディションであることだと思います。
新作ヴァイオリンが、健康であることは間違いないです。
音の変化を勉強する上で、ヴァイオリンが教えてくれることは沢山ある、と思っています。