RED LEAVES
11月の終わりは、木の葉が紅く染まりますね。
紅葉は、秋の終わりという感じがして、趣があります。
近くの公園の写真です。
ヴァイオリンの表面の色を思い出します。
ヴァイオリンのニスの色は、赤、黄色、茶系やオレンジですが、言葉では表現できないぐらい多彩です。その色は、ヴァイオリンの外観を見るときの楽しみの一つですね。
しかし、ヴァイオリンの表面のオリジナルニスは保存が難しく、オールドヴァイオリンのニスは、楽器を復元及び保護するため、リタッチされているものが殆どだそうです。
ヴァイオリンのニスは敏感で、長期間ケースに閉まったままにしておくのはよくないと、ある楽器屋さんに聞きました。ヴァイオリンの木は空気に触れて呼吸するので、弾かない場合でも、時々ケースの外に出して、様子を見た方がよいそうです。
楽器屋さんに行くと、ヴァイオリンを吊るしているのは、空気で呼吸させる意味もあるそうです。
特に高温多湿な環境は、ニスが敏感に反応して、ヒビ割れたりしてしまうこともあるので、要注意ですね。
僕がアシュモリアン博物館でみた、ストラディバリウス1716年製のメシアのニスは、溜息が出るぐらい美しかったです。ヴァイオリンがミステリアスに輝いていました。
世界中の人を魅了する魔力は、このミステリアスな赤色にありますね。300年間この輝きを保っていることは奇跡です。
一人の製作家でも、製作するヴァイオリンによって、ニスの色が変わります。
以前あるヴァイオリン製作家に、「黄色と赤のニスを選ぶ基準は何ですか?」と聞いたことがあります。
「木及び製作する過程で、それにあったニスの色と質感を考えて選択する。」
と回答でした。
木と会話して、ニスを塗る。
製作家は凄い仕事ですね。