HYTSヴァイオリンな日々

ヴァイオリンの魅力と謎について日々思うことを書きたいと思います。

ティボーが与えてくれる想像力

 

調べたいことは、大体のことはググればネットで調べられますね。

 

ヴェネツィア」とか調べれば、ヴェネツィアの写真や映像が出てきてどんな感じの街かスマホで見れてしまいます。自分とかスマホで映像見ていると現地に行ったような気がしてしまい、あぁこういうとこでしょ、って満足してしまいます。

 

なんとなく旅行した気にさせてくれる映像は、仮想現実ですね。

 

スマホを通して世の中と接していると、そんな仮想現実がとても多いですよね。実際僕は、仮想現実を見せてくれるスマホをなかなか手放せない生活になってしまっています。

 

ただ、便利な仮想現実に頼ってしまいすぎる自分はよくないなぁと思うこともあるんです。仮想現実はリアルな体験よりも浅くて薄くなってしまうこともあるため、簡単に満足してしまう自分がいます。映像もブツ切りなものが多いですし。スマホに頼りすぎると想像力が衰えてしまうような気がしてしまいます。

 

ヴァイオリンは想像力を鍛えてくれる楽器だな、と思っています。

 

ヴァイオリンを弾くという現実の物理現象から、想像の世界を見せてくれる音楽があります。ヴァイオリン奏者が想像力を活用して、誰もみたことない世界を見せてくれるような。

 

Jacques Thibaud (ジャック・ティボー 1880年~1953年)の1936年の演奏は、想像力を掻き立ててくれる音楽です。

 

www.youtube.com

 

ティボーの少年期から青年期の自伝「ヴァイオリンは語る」では、少年時代から妄想力が高かったことを自身で書いています。

 

想像でみようとする世界は、ネットでみる仮想現実よりも深くて面白いものだなぁと思います。実際にヴァイオリンを弾いたり、聴いたりすると、どんなシーンだろうとか想像力を働かせるので楽しいですね。

 

 f:id:HYTS:20181217220311j:plain

 

"It is only with the heart that one can see rightly, what is essential is invisible to the eye."

(心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない。かんじんなことは、目に見えない。)

 

『星の王子様』より -  サン・テグジュペリ