HYTSヴァイオリンな日々

ヴァイオリンの魅力と謎について日々思うことを書きたいと思います。

弓を探して

ヴァイオリン弾く人にとって、弓は重要ですね。

弦楽器を演奏しない人にとって、右手に持っている弓ってそんなに違うの?ってなりますが、全然違います。

 

ヴァイオリンの音色と音量、操作性、全て影響してきますね。弓を変えると、ヴァイオリンの音はびっくりするぐらい変化します。

 

弓は一点物なので、縁であり出会いです。すぐに出会えるものではありませんが、どういう条件でどのくらいの予算の弓が欲しいか普段から考えていると、出会えるかもしれません。

 

僕は、新作の弓2本、Francois Nicolas Voirin(フランソワ・ニコラ・ヴォアラン) の1870年代の弓を使用しています。

 

f:id:HYTS:20190107025911j:plain

 

ヴォアランの弓は、パッと華やいだ音がでて、とても弾きやすい弓です。重さは60gでヴォアランにしては比較的重量のある弓ですが、剛弓ではなく繊細な音を作れる弓です。コンチェルト向きというよりは、ソナタや小品を弾く弓かもしれません。

 

特にこの弓の好きなところは、弓が持っている音楽性です。メロディーを弾くと、弓が自然とメロディーを作ってくれます。弓に任せて弾いていけば、弓が音楽の方向性を教えてくれます。

 

弓は、音楽をもっていると考えています。特に素晴らしい弓ほど、音楽のパワーを秘めています。

 

f:id:HYTS:20190107030015j:plain

 

この弓にあった音楽は何だろう、そんなことを考えながら、弓に触れます。

ベートーヴェンか、ブラームスか、チャイコフスキーか....。

 

音楽によって弓を選べる、というのが最も贅沢かもしれませんね。

 

ただ、弓が持つ音楽の方向性に反した弾き方は、弓の寿命を縮めてしまうかもしれません。繊細な弓に、無理に力をかけて弾きすぎると、弓の反りが緩緩になり、本来の力を発揮できなくなります。

 

 

オールド弓の欠点は、無理な力に弱く、最悪は弓のヘッドが割れてしまうリスクがあることだと考えています。なので、僕はオールド弓は休ませながら使うようにしています。普段はオールド弓ばかり使うのではなく、新作弓も使って練習しています。

 

新作弓はクセがついてないので勉強しやすいですし、コシがしっかりしているので、安定感が抜群です。新作弓も奥深い世界なので、今度書いてみようと思います。

 

今後はチャンスがあれば、強い弓ももってみたいと思います。コンチェルトも弾けて、音楽の力をもった弓。

 

自分のイメージしているものに、簡単には出会えないですが、ゆっくりその時を待とうと思っています。