理想のヴァイオリン
「いい人いないかぁ。こんな人が傍にいたらいいなぁ。」
恋人や結婚相手を探す時、心の中でぼやく一言。
ヴァイオリン弾く人もぼやくことあるかもしれません。
「こんな音を出してみたい。こんなヴァイオリン持っていたらなぁ。」
ヴァイオリンは人に近いと感じます。
人は顔も性格も千差万別で、付き合ってみないと相手の人柄も分からない。そして性格も変わっていきます。
ヴァイオリンは一つ一つ違う音色、音量を持っていて、音の出方も千差万別です。弾き込んでいくことで音は変わっていきます。
凄い美女に出会って、頑張ってアプローチして、付き合えた。しかし、性格が....。こんな人じゃなかったはず....。
凄い綺麗なオールドヴァイオリンに出会って、高額なお金を払って頑張って買った。しかし、いざ弾いてみると音が出てこない....。こんなヴァイオリンじゃなかったはず....。
こんなこともあるかもしれませんね。
昔からストラディバリウスのブランドテストが行われてきました。超一流のヴァイオリニストやヴァイオリンディーラーが、ブラインドでヴァイオリンの音を聞いて、ストラディバリウスの音を聞き分けられるか?、というテストです。
正答率は概して高くない結果で、残念ながら"銘器の音"は一体何かが曖昧に終わります。
歴史的な銘器であれば、理想のヴァイオリンか?というと、それは、人によって違うのかもしれません。
ヒラリー・ハーンのインタビュー記事があります。
ヒラリー・ハーン自身ブラインドで、自身の楽器(フランスのヴィヨーム製作)とストラディバリウス、ガルネリ・デル・ジェス、アマティと弾き比べたそうです。結果、聴いた人達は、最もよい音がしたヴァイオリンとして、彼女のヴィヨームを選んだとのことです。
理想のヴァイオリンは、練習という鍛錬により、自分自身とヴァイオリンで音を作り上げていく共同作業によって、生まれるのだと思います。
僕自身は発展途上で、ヴァイオリンの潜在能力をまだまだ全然生かし切れていないと思っています。
理想のヴァイオリンを求めて、練習頑張ろうと思います。