HYTSヴァイオリンな日々

ヴァイオリンの魅力と謎について日々思うことを書きたいと思います。

ニューヨークへ① BAM HI-TECH CABIN

先日ニューヨークへ行きました。

ニューヨークは、ヴァイオリンの店が色々あり優秀なディーラーさんもいて、ヴァイオリンに出会うチャンスがある街です。

 

ニューヨークには、ヴァイオリンを受け取りに行きました。あるヴァイオリンを探し数年....。日本ではどうしても出会えなったヴァイオリン。心弾ませながら、ニューヨーク行きの準備をしました。

 

ヴァイオリンを受け取るために必要なもの.....

 

それは何といっても、ヴァイオリンケースです。ヴァイオリンケースは、ヴァイオリンを守るために超重要なアイテムです。

 

ヴァイオリンケースを飛行機に乗せる時に、気にしないといけないのが、ヴァイオリンケースのサイズです。プロでは常識だと思いますが、ヴァイオリンケースの機内持ち込みには厳しい規定があります。ANAだと、楽器ケースの3辺の合計が115cm以内の場合で、各辺の長さが55cm・40cm・25cmであれば機内持ち込み可能だとされています。

 

ヴァイオリンは機内持ち込みにしないと、何があるか分かりません。サイズオーバーで預け手荷物にされて、最悪ヴァイオリンの破損事故が発生したとしても、自己責任になってしまいます。

 

そんなヴァイオリンケースあるのか?、と不安になり、

「ヴァイオリンケース 機内持ち込み」ググると....。

 

あぁ~、でてきました、BAMケース。

 

BAM HI-TECH CABIN

 

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7万円程で高かったですが、格好いいし、断熱性優れているし、頑丈だし。安全性が第一であれば、これだと思い購入しました。

 

コンパクトですが楽器は安定して入るし、安心感があります。BAMは頼りになります。

 

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出発当日は、空のBAMケースを抱えて、ANAでチェックインしました。少しドキドキしましたが、無事スルーでした。流石BAMのCABIN専用ケース、頼りになります!

 

行きの飛行機は、ケースは上の手荷物収納の棚に置いておきました。

 

飛行機の席に着くと、隣の席の方がミニトランクを抱えてやってきました。そのミニトランクをドカンッと上の収納棚に入れました。ヴァイオリンケースに固いトランクがヒット!

 

あぁ~、(;゚Д゚)

 

隣の席の人は全然知らないので悪くはないのですが、若干ショックを受けました。行きはケースが空だからよかったけれども、ヴァイオリンが入っていたらと考えると、帰りが不安になりました....。

 

ヴァイオリンが入っている状態でトランクとケースがヒットしたら嫌だなぁとか、自分が寝ている間に誰かが棚空けてケースが落下したら嫌だなぁとか。

 

しかし、不安な事考えればキリがないので、BAMケースであれば守ってくれるだろうと信じる事にしました。

 

羽田空港からニューヨークまで12時間フライトでした。映画を4本ぐらいみて、寝て、時間をつぶしました...。

 

 

映画は、「寝ても覚めても」という恋愛映画みました。一度好きになったミステリアスな男を忘れられない女性の話で、話が思わぬ方向に展開して行き、なかなか面白ったです。

 

寝ても覚めても、violin,violin......(-_-)zzz

 

②に続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

庄司紗矢香さんとRécamier

ヴァイオリンはヴァイオリ二ストにとって音楽を奏でる大事な道具です。

 

勿論、ヴァイオリニストの素晴らしい技術があってこそ最高の音楽が生まれることはいうまでもありません。

 

 

しかし、時々ヴァイオリニストとヴァイオリンの組合せは、奇跡のような音を生み出すかともあるのでは、と考えてしまうことがあります。

 

 

庄司紗矢香さんとストラディバリウスの『レカミエ(Récamier)』について書きます。

 

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僕は庄司紗矢香さんの演奏が大好きで、チャンスがあれば、演奏会を聴きに行きます。技術は言うまでもなく最高のもので、何より音楽を純粋に楽しめる演奏で、いつも心から楽しみにしています。

 

 

 

 

庄司紗矢香さんが、弾いているヴァイオリンは、1727年制※のストラディバリウスで、『レカミエ(Récamier)』という愛称があります。

 

 

※実際の楽器内部のラベル記載の制作年は消えてしまっているが、ストラディバリウスの晩年期の作品とされているようです。

 

 

www.youtube.com

 

 

レカミエ夫人は、19世紀のフランスの文学・政治サロンで花形だった女性で、世界の歴史の中でも最も美しい女性の一人だったようです。

 

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ヴァイオリンはナポレオン・ボナパルトがレカミエ夫人に譲ったもので、1804年までレカミエ夫人が所有者だったようです。

 

 

 

1925年からは、ミッシャ・エルマン(Mischa Elman 1891年〜1967年)が所有者となり、このヴァイオリンで演奏していました。

 

 

 

エルマン特有の美音は、エルマントーンと言われ、今なお愛される演奏家の一人です。小柄だったエルマンの独特な演奏スタイルから何故こんな音が出るか?今でもミステリアスな部分もあります。

 

 

 

現在レカミエは上野製薬株式会社が保有しており、庄司紗矢香さんに貸与しています。

 

故上野隆三さんが、楽器を収集しヴァイオリン貸与してきて、現在会社にその意思が引き継がれています。レカミエもそのコレクションの一つです。隆三さんのお兄さんはアマチュアのヴァイオリン弾きで早稲田大学の学生だったそうなのですが、若くして戦地で亡くなってしまったそうです。音楽を愛する気持ちがあっても、残念ながら音楽を楽しむことが困難な時代があったんですね。

 

 

 

現在素晴らしいヴァイオリンの音を楽しめることは、本当に素晴らしいことだと思います。

 

 

 

庄司紗矢香さんは、日本音楽財団所有の1715年制のストラディバリウス『ヨアヒム』を2009年まで使用し、その後『レカミエ』を弾いています。

 

 

 

ヨアヒムは黄色い明るい色の楽器に対し、レカミエは赤い暗い色の楽器なので、庄司紗矢香さんの演奏の映像をみると、どちらを弾いているかすぐに分かります。

 

 

 

個人的な意見ですが、楽器の音に差を感じます。

 

 

ヨアヒムは明瞭で明るい音です。

一方、レカミエはとっても暖かい音です。

生演奏を聴いていると、ボワッと低弦が香り立つように響いてきます。それは庄司紗矢香さん特有の音で、聴き入ってしまいます。

 

 

 

興味深いのは、庄司紗矢香さんの演奏スタイルも変化していることです。

 

 

映像でみると、昔はヴァイオリンを高く構えていたのですが、最近はヴァイオリンを低く構えています。そして音はより内省的に、艶やかに変化しています。

 

 

庄司紗矢香さんは、ヴァイオリン弾きの中でも小柄なのですが、ホールで聴いていると、その体格から何故素晴らしい音が出るのか?エルマン同様に考えさせられてしまいます。

 

 

もはや達人の世界なので、考えても分からないですが....。

 

 

 

僕自身は全てのストラディバリウスの音がいいと思う訳ではありませんが、レカミエは格別に素晴らしいヴァイオリンだと思っています。

 

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庄司紗矢香さんが弾くレカミエから聴こえてくる音楽は、情感豊かで暖かくて、ずっと聴いていたくなります。

 

 

 

またコンサートに行く日が待ち遠しいですね....。

理想のヴァイオリン

「いい人いないかぁ。こんな人が傍にいたらいいなぁ。」

 

恋人や結婚相手を探す時、心の中でぼやく一言。

ヴァイオリン弾く人もぼやくことあるかもしれません。

 

「こんな音を出してみたい。こんなヴァイオリン持っていたらなぁ。」

 

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ヴァイオリンは人に近いと感じます。

人は顔も性格も千差万別で、付き合ってみないと相手の人柄も分からない。そして性格も変わっていきます。

ヴァイオリンは一つ一つ違う音色、音量を持っていて、音の出方も千差万別です。弾き込んでいくことで音は変わっていきます。

 

凄い美女に出会って、頑張ってアプローチして、付き合えた。しかし、性格が....。こんな人じゃなかったはず....。

 

凄い綺麗なオールドヴァイオリンに出会って、高額なお金を払って頑張って買った。しかし、いざ弾いてみると音が出てこない....。こんなヴァイオリンじゃなかったはず....。

 

こんなこともあるかもしれませんね。

 

 

 

昔からストラディバリウスのブランドテストが行われてきました。超一流のヴァイオリニストやヴァイオリンディーラーが、ブラインドでヴァイオリンの音を聞いて、ストラディバリウスの音を聞き分けられるか?、というテストです。

 

正答率は概して高くない結果で、残念ながら"銘器の音"は一体何かが曖昧に終わります。

 

歴史的な銘器であれば、理想のヴァイオリンか?というと、それは、人によって違うのかもしれません。

 

ヒラリー・ハーンのインタビュー記事があります。

www.violinist.com

 

ヒラリー・ハーン自身ブラインドで、自身の楽器(フランスのヴィヨーム製作)とストラディバリウス、ガルネリ・デル・ジェス、アマティと弾き比べたそうです。結果、聴いた人達は、最もよい音がしたヴァイオリンとして、彼女のヴィヨームを選んだとのことです。

 

理想のヴァイオリンは、練習という鍛錬により、自分自身とヴァイオリンで音を作り上げていく共同作業によって、生まれるのだと思います。

 

僕自身は発展途上で、ヴァイオリンの潜在能力をまだまだ全然生かし切れていないと思っています。

 

理想のヴァイオリンを求めて、練習頑張ろうと思います。

 

 

弓を探して

ヴァイオリン弾く人にとって、弓は重要ですね。

弦楽器を演奏しない人にとって、右手に持っている弓ってそんなに違うの?ってなりますが、全然違います。

 

ヴァイオリンの音色と音量、操作性、全て影響してきますね。弓を変えると、ヴァイオリンの音はびっくりするぐらい変化します。

 

弓は一点物なので、縁であり出会いです。すぐに出会えるものではありませんが、どういう条件でどのくらいの予算の弓が欲しいか普段から考えていると、出会えるかもしれません。

 

僕は、新作の弓2本、Francois Nicolas Voirin(フランソワ・ニコラ・ヴォアラン) の1870年代の弓を使用しています。

 

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ヴォアランの弓は、パッと華やいだ音がでて、とても弾きやすい弓です。重さは60gでヴォアランにしては比較的重量のある弓ですが、剛弓ではなく繊細な音を作れる弓です。コンチェルト向きというよりは、ソナタや小品を弾く弓かもしれません。

 

特にこの弓の好きなところは、弓が持っている音楽性です。メロディーを弾くと、弓が自然とメロディーを作ってくれます。弓に任せて弾いていけば、弓が音楽の方向性を教えてくれます。

 

弓は、音楽をもっていると考えています。特に素晴らしい弓ほど、音楽のパワーを秘めています。

 

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この弓にあった音楽は何だろう、そんなことを考えながら、弓に触れます。

ベートーヴェンか、ブラームスか、チャイコフスキーか....。

 

音楽によって弓を選べる、というのが最も贅沢かもしれませんね。

 

ただ、弓が持つ音楽の方向性に反した弾き方は、弓の寿命を縮めてしまうかもしれません。繊細な弓に、無理に力をかけて弾きすぎると、弓の反りが緩緩になり、本来の力を発揮できなくなります。

 

 

オールド弓の欠点は、無理な力に弱く、最悪は弓のヘッドが割れてしまうリスクがあることだと考えています。なので、僕はオールド弓は休ませながら使うようにしています。普段はオールド弓ばかり使うのではなく、新作弓も使って練習しています。

 

新作弓はクセがついてないので勉強しやすいですし、コシがしっかりしているので、安定感が抜群です。新作弓も奥深い世界なので、今度書いてみようと思います。

 

今後はチャンスがあれば、強い弓ももってみたいと思います。コンチェルトも弾けて、音楽の力をもった弓。

 

自分のイメージしているものに、簡単には出会えないですが、ゆっくりその時を待とうと思っています。

 

 

 

 

悪魔的なスピード

 

ヴァイオリンの速弾きのパーフォーマンスは、観ている側も面白いですね。

 

ヴァイオリンの速弾きのパフォーマンスを、人に魅せつける技術として開発したヴァイオリニストでは、Nicolo Paganini (ニコロ・パガニーニ 1782年~1840年)は重要な人物です。

 

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パガニーニは、1830年代パリとロンドンで開いた演奏会で成功をおさめ、超絶的な演奏技術でヨーロッパの人々を魅了しました。当時パガニーニのプロマイドが売られたり、パガニーニの演奏を聴いて失神する人が出たりしたそうです。

 

ヴァイオリンの演奏で失神するの?って思いますが、パガニーニの演奏は想像を遥かに超えるぐらい凄かったんでしょうね。恐らくマイケル・ジャクソンのダンス、X-JAPANYOSHIKIのドラムに熱狂する感覚に近いと思います。

 

パガニーニが弾いていた曲に、「24の奇想曲」という無伴奏ヴァイオリンの曲集があります。このNo.5のアジタート(激情的に、急速に)は、ヴァイオリニストにとって速弾きを魅せつける曲です。

 

ギリシャのヴァイオリニストのLeonidas Kavakos(レオニダス・カヴァコス)のNo.5の演奏はめちゃくちゃ速いです。はじめて映像をみた時は、びっくりしました。

 

悪魔的なスピードです.........。

 

www.youtube.com

 

 

冷静にみると、サルタートで弾いている部分は、左手が無駄な動きが一切なく安定しています。左手はまるで4本の指をただ置いているだけかのよう。

 

Devil's playing!

タイムマシンに乗ってパガニーニの演奏観に行きたいなぁ。

 

 

 

 

ティボーが与えてくれる想像力

 

調べたいことは、大体のことはググればネットで調べられますね。

 

ヴェネツィア」とか調べれば、ヴェネツィアの写真や映像が出てきてどんな感じの街かスマホで見れてしまいます。自分とかスマホで映像見ていると現地に行ったような気がしてしまい、あぁこういうとこでしょ、って満足してしまいます。

 

なんとなく旅行した気にさせてくれる映像は、仮想現実ですね。

 

スマホを通して世の中と接していると、そんな仮想現実がとても多いですよね。実際僕は、仮想現実を見せてくれるスマホをなかなか手放せない生活になってしまっています。

 

ただ、便利な仮想現実に頼ってしまいすぎる自分はよくないなぁと思うこともあるんです。仮想現実はリアルな体験よりも浅くて薄くなってしまうこともあるため、簡単に満足してしまう自分がいます。映像もブツ切りなものが多いですし。スマホに頼りすぎると想像力が衰えてしまうような気がしてしまいます。

 

ヴァイオリンは想像力を鍛えてくれる楽器だな、と思っています。

 

ヴァイオリンを弾くという現実の物理現象から、想像の世界を見せてくれる音楽があります。ヴァイオリン奏者が想像力を活用して、誰もみたことない世界を見せてくれるような。

 

Jacques Thibaud (ジャック・ティボー 1880年~1953年)の1936年の演奏は、想像力を掻き立ててくれる音楽です。

 

www.youtube.com

 

ティボーの少年期から青年期の自伝「ヴァイオリンは語る」では、少年時代から妄想力が高かったことを自身で書いています。

 

想像でみようとする世界は、ネットでみる仮想現実よりも深くて面白いものだなぁと思います。実際にヴァイオリンを弾いたり、聴いたりすると、どんなシーンだろうとか想像力を働かせるので楽しいですね。

 

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"It is only with the heart that one can see rightly, what is essential is invisible to the eye."

(心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない。かんじんなことは、目に見えない。)

 

『星の王子様』より -  サン・テグジュペリ

 

モダン・イタリアン・ヴァイオリンの銘器

モダン・イタリアン・ヴァイオリンは、一般的にGiovanni Francesco Pressenda(プレッセンダ 1777年~1854年)以降から1950年代程までに製作されたヴァイオリンのことです。

 

ヴァイオリンで有名なものは、ストラディバリウスやガルネリ・デル・ジェスですが、これらは1700年代前半に製作されたヴァイオリンです。現在は、2億円~15億円程度で取引されていて、非常に高額です。

 

モダン・イタリアン・ヴァイオリンは、200年以上前に製作されたオールドヴァイオリンほどは古くはないですが、50年以上前に製作されたヴァイオリンなので、少し古い感じですね。

 

モダン・イタリアン・ヴァイオリンは、アマティ、ストラディバリウス、ガルネリ・デル・ジェスなど古いクレモナの銘器を意識して製作されているのですが、一つ一つが個性的です。クレモナの銘器を超えるパーソナルモデルをそれぞれの製作家が模索していた時期だったようで、個性的で面白い楽器が多いです。

 

価格は、300万円~7000万円ほどでしょうか。

 

僕がみた楽器の中で、今でも心に残っている製作家のヴァイオリンを4つほど書きたいと思います。

 

 

①Hannibal Fagnola (アンニバル・ファニオラ 1866年~1939年)

ファニオラは、トリノの製作家で、楽器のコピーを製作する達人だったようです。僕が弾いたのは、プレッセンダのコピーでした。赤いニスで、細工も美しかったです。炎がブワッと燃え上がるような音で、パワーがありました。コンチェルト弾いても、オーケストラに負けないソリスト向きの楽器だなぁと感じました。

状態がよくて出来の良いファニオラのヴァイオリンは、2000万円以上はするそうです。

 

 

②Romeo Anntoniazzi (ロメオ・アントニアッツィ 1862年~1925年)

兄弟で一緒に製作をしていたようで、ロメオ・アントニアッツィは弟だったようです。楽器製作に浮き沈みがあった方だったみたいですが、凄くいい音のする楽器に出会ったことがあります。僕が弾いたのは、1890年後半に製作されたヴァイオリンで、パワーのある音ではないのですが、高貴な響きを持つ楽器でした。細工は緻密で美しかったです。古きよき時代を感じる音でした。

 

 

③Ansaldo Poggi(アンサルド・ポッジ 1893年1984年)

ストラディバリウス、ガルネリ・デル・ジェスを独自にアレンジしたモデルの楽器を製作したボローニャの巨匠です。オイストラフやミルステンなども、ポッジの楽器を購入したようです。僕が弾いたヴァイオリンは、状態がよくポッジ独自の音の鳴りがありました。駒の振動が楽器全体にビリビリと伝わり、空気もビリビリと揺れるような音です。細工も裏板の木も素晴らしいヴァイオリンでした。価格は、2500万円以上はするそうです。

 

 

④Giuseppe Antonio Rocca(ジュゼッペ・アントニオ・ロッカ 1807年~1865年)

波乱の生涯を送ったトリノの製作家で、葉加瀬太郎さんが使用していることでも有名です。僕が弾いたのは、1840年代の楽器ですが、パワーのある楽器で、低弦の迫力も凄かったです。ソリストが求める音のパワー、音色を持ったヴァイオリンでした。

1845年~1860年に製作された楽器で状態のよいものは、6000万円以上するそうです。

 


 <写真は、クレモナのヴァイオリン博物館に展示されているGiuseppe Fiorini ジュゼッペ・フィオリーニ のヴィオラ>


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モダン・イタリアン・ヴァイオリンの世界はとても深くて、興味が尽きません。

底なし沼ですね。